「きみの舞う」 白井明大
八重山上布に身を巻いて
腰のひくく
ひざの落ちて
躍るきみが
足の指のまは
珊瑚の砂をかきまぜていく
貝の光の反射するのを
ちらしていく
頭のうえに乗せてる
潮風の
こちらに吹くの
流れがわかる
髪の毛の黒い
結いあげたつや
伏し目で袖を
また裾を巻く仕草ま合い
かんあみかからんたまぐすく
ひいぬむすくきいみややらび
拍子をそろえる
なかを抜くように打つ太鼓の
砂にもぐって
潮にとおくいく
ま合い
入らないで入る
出かかって出ないて出ている
飛びすさう
鳥のこえから
髪の結いがうけとる響き
つや光りして
貝鳴りして
袖裾巻いて
舞いして躍りして
衣の紋のゆん曲がって溶けて砂に
潮なびいて
消えないまま揺らいで
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10月のリリース・ルームVOL.5で参加者によって選ばれた2作品の内、
「きみの舞う」 作者:
白井明大 を掲載させていただきました。
もう1作品「先刻、古本屋で市井くんと会った。」 作者:佐藤yuupopic は、
映画館HPに掲載されます。